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一流の真似をして三流で終わるシャープ

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高校を出て、家電大手の地方営業所に就職した。そのころは未だ国内に多店舗を展開する大型店はなく、地方の家電大型店が主流だった。入社後はその大型店のセールのたびに販売員として派遣され、店内で自社の家電を売った。そのころ、一番の安売り、目玉品として売られていたのが、だいたいシャープの家電品だった。

その後、1年で退職して専門学校へ行ったのだが、記憶が正しければ、家電業界で、ビデオカメラに初めて液晶画面を装備してから、液晶のシャープとして、躍進した。

シャープが一流の雰囲気を漂わせるようになってから、持っていたシャープの小型の液晶テレビが故障してサービスセンターに持ち込んだ時のことを今も忘れない。サービス受付カウンターがあり、こちらに向かって20人前後の女性が、半身が隠れるようなパソコンモニターに向かってキーボードを叩いていた。
テレビをカウンターの上に載せたが持ち込んだ自分に声をかける人は誰一人いない。数分の間あきれて、その光景を眺めていた。自分たちが生産して売った物が故障して、修理に持ち込まれているのにまるで他人事のように作業を続けていた。客商売では、あってはならない場面だったと今も鮮明に思い出す。
華々しくテレビなどで液晶の宣伝をしていたが、後方部門では昔と何も変わらない三流らしさ丸出しの対応を続けていたのである。そのときに、将来、このメーカーが破綻しても全く不思議ではないなと思っていた。

以前、テレビを買うと補助金が出るというので、あまりに宣伝するのでシャープの亀山モデル、ブルーレイ内蔵の機種を買った。このブルーレイが数ヶ月で不具合を起こす。
修理を依頼しても同様の故障が続いた。4度目の修理のときに聞いてみた。「同じ故障で何回呼べば、呼んだお客さんはキレますか?」と。3回ぐらいですと、若いサービスマンが答えた。
そこで、「こちらも同じ修理で5回というわけにも行かないので諦めて、テレビ自体を交換したほうがいいんじゃないの?」と、ごく大人しい口調で言ってみた。
「この機種はもうないので、次の機種は数万高くなっているので、差額を払ってほしい」と、若いサービスマンは言う。
そう言ったら、修理を頼んできたオヤジが怒りだして困ってますと上司に電話しなさいと言って、電話の後、テレビは交換されることに。それ以来、故障は幸いにして無い。

液晶事業への投資が需要見込みの誤りによって巨額の赤字を計上したという。このメーカーを少なくとも40年見続けていれば納得できるできごとだと思うけれども。








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by ksway | 2012-08-31 15:36 | あきれるものごと