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私をリタイアに追い込んだ会社が倒産していた

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たまたま検索したところ、私が事業売却してリタイアするきっかけとなった企業が倒産しておりました。


現役時、チェーン展開する多店舗を得意先として販促物の製作全般を請け負っていましたが、そのチェーンが身売りすることになりました。

その買収企業がSという全国規模の大手卸売で年商1500億を超えるような会社でした。


先々、仕事をさせてもらえるのか不安な思いで過ごしておりましたが、事業所を開設し業務の引き継ぎなどで10名ほどが本社から送り込まれてきました。

新経営母体による経営方針を把握すべく、さっそく面会に訪れましたが、その横柄な態度に触れ、先の見通しの暗さを思いました。

最初のうちは先方も不慣れ、様子見ということで仕事は継続して発注してくれるとは思いましたが、先方のビジネス形態が整って来れば、切られるのは明らかでした。


ITの時代に合わせた業態転換を考えるには歳を取り過ぎていると考え、リタイアを決めました。

短期間で、社員の継続雇用を条件に事業売却先を決め、素早く動きました。

脱サラして個人事業6年、法人化(株式会社)して23年後のことでした。


社屋だけは賃貸できそうでした。

銀行取引上、ローンが残っておりましたので全額一括精算しました。

その後は空いた期間もありましたが数年前に売却するまで賃貸しておりました。


その買収会社Sは買収から10年ほどで1000億を超える赤字を計上していたとのこと。

倒産時の売上はわずか307億円となり大規模なリストラなどしながらも債務超過に陥っていたようです。


自身も一度、倒産しかけたことがありました。

40歳時、家の貯金に手をつけ、蓄えがゼロになり、クレジットカードで複数借金をして社員の給料を払った経験があります。

返せなかったら夜逃げしようという悲壮な覚悟をしていました。

事業など、見通しを誤ると、あっという間に赤字が累積してしまいます。その金額の膨張は個人の理解をはるかに超えるほど早く、巨額になってしまいます。


もう見通しが立たないのに自分の事業に執着して借入しながら存続を図る経営者、早々に見切りをつけて撤退する経営者。

事業の終焉の姿はさまざまです。


サラリーマンでも経営者でも、欲を出さず、逃げ切る終わり方をしないといけません。

老いて、あの時に決断して良かったと思える無難な人生でありたいものです。


by ksway | 2022-02-05 08:53 | 出来事